2月に行われたねこちゃんセミナーの様子や、獣医師紹介、パピー期について、フォトコンテストなど役立つ情報から楽しいコンテンツまで幅広く掲載しています。
3年後のOneVETを見据えて
OneVETの設立から3年が経ち、これまでのこと、そしてこれからのことを話していただきました。
この3年間での変化は?
小出
設備、働き方など、いろいろあると思いますが、この3年間での変化はありましたか?
だて動物病院の変化
伊達
ずっとやってきたことが結果として形になったというところかな。
大きな方針転換はしていなくて、むしろ答え合わせのような感じ。5年先、10年先の方が自分にとっては楽しみなビジョンがあると思っています。そして、治療の選択肢が広がっていることは、飼い主さんにとっても大きなメリットだと思います。高度医療だけでなく、緩和ケア的な選択肢まで幅広く用意できることが、だて動物病院の強みです。今後3年、5年経っても、その幅はさらに広がっていくと考えています。
小出
確かに、それはとても良い方向ですね。
伊達
やはり、医療レベルが大きく向上したのは事実ですね。機材面でも、MRIをはじめ、多くの機器が一新されました。人材も増えましたし、知識も常にアップデートされています。 この4月と3年前の4月を比較すれば、従業員数の違いは明らかだと思います。
小出
人も機材も、そして1人ひとりのスキルも上がってきたということですね。
やさか動物病院の変化
大石
やっぱり一番大きかったのは、従業員の成長ですね。特に獣医師たちが、手術も麻酔もすごく上達してきている。内科でも指名を受けて回せるようになってきていて、本当に頼もしいです。
看護師さんに関しては、「動物を看る」という意識を更に強く持ってくれていて、入院患者のケアにもより一層力を入れて取り組むようになってきました。心肺蘇生などの対応も、2年ほど前からしっかりとトレーニングしていて、今はチームとして頑張って取り組んでいます。AMIもそうですし、徐々に地域に認知してもらえ、やさか動物病院でのイベントも開催でき、全体として地域に根ざした病院になってきたなと実感します。
小出
着実に変化が現れているんですね。
大石
最近は「病気が治った」だけではなく、「ドッグランが楽しかった」「カフェが良かった」など、飼い主さんの喜びの声をよく聞くようになりました。
伊達
毎年「こんなに変わるとは思ってなかったな!!」と、目標を超える素敵な変化が常に起きているなと感じますね。
3年後のOneVETはどうなっていたいか
小出
では、今回の本題である「3年後のOneVETはどうなっていたいか」というテーマに入りましょう。
伊達
だて動物病院では、「放射線治療機器の導入」が大きなテーマになります。
大石
やさか動物病院では、譲渡活動や保護活動など、地域との接点を重視したバランス型の医療を目指していきます。
小出
スタンスの違いが明確にあるというのは、現時点でも感じますし、3年後もその方向性がそれぞれ強化されていくんでしょうね。
伊達
そうですね。お互いの強みがさらに伸びていけば、職域も広がるし、飼い主さんにとっても、治療の選択肢が増えて、より良い医療環境が整うと思います。高度医療を突き詰めても、動物はいつか必ず亡くなるものです。結果として、飼い主さんが心から笑顔になるという場面は少ない。だからこそ、添木のような「心の支え」となる取り組みも、グループとして非常に重要です。
小出
実際に、飼い主さんの中には、やさか動物病院からだて動物病院へ、あるいはだて動物病院からやさか動物病院へと移動される方もいますよね。
伊達
そうですね。それが可能なのは、OneVETとしての一体感があるからこそです。
小出
それが今後もっと広がっていくといいですね。広報誌を通じて、「どちらの病院も利用できる」という認識が、飼い主さんの中にも自然に浸透していくと良いと思います。
伊達
本当にそうですね。そして、だて動物病院は高度医療に特化している分、どうしても「その先」の受け皿がない。だから、飼い主さんが安心して寄り添える場をつくれたらと。
大石
実は今、地域に貢献しながら動物や飼い主さんに寄り添える運営ができたらなと考えています。
小出
今のように高度な医療が進む一方で、ターミナルケアやホスピスのような施設は少ないですもんね。
伊達
そう。今は、難しい症例が増える一方で、その「出口」が用意されていない。それって飼い主さんにとっても、すごく負担になるんですよね。だからこそ、安心して笑顔で最期を迎えられるような施設が必要なんです。
小出
放射線治療に関しても、飼い主さん向けに「何ができるようになるのか」を補足的に伝えられると良いですね。
伊達
もちろん放射線も完全に無侵襲ではありませんが、外科的手術に比べれば遥かに身体への負担が軽い。 腫瘍を縮小させたり、消失させたりといった効果が期待できます。
小出
全国でも導入されている病院は少ないですよね。
伊達
はい。岡山にはまだない。四国からのアクセスも良いですし、たった一台の放射線治療機器で、多くの動物が救えるかもしれない。これまでは「距離」が障壁でしたが、岡山に設備があれば、選択肢の幅が大きく広がります。患者さんにとっても、非常に大きな意義があると思います。
小出
顔まわりや脳腫瘍など、切除が難しい部位には特に有効ですね。
大石
うちの患者さんでも、大阪に放射線を受けに行って1年以上元気に過ごせた例があります。北海道まで行った猫の例もあって、5年以上生きられたケースも。放射線の効果はやはり実感しています。
小出
つまり、今後のOneVETは、高度医療の拡充と同時に、終末ケアやグリーフケアといった「その後」を見据えた体制も重要ということですね。
伊達
まさにそこですね。治療のその先に寄り添える基盤があると理想です。
大石
うちでも最近シニアセミナーを開きましたが、 患者さんと最初から関わっているからこそ、最後までしっかり寄り添え、そしてパピーの頃からずっと診てきた患者さんが最期を迎えるとき、その家族の力になれることが強みだと思います。
だて動物病院の方では、院内を「一次診療」と「二次診療(高度医療)」に分化して、ベテランがジェネラルを、若手が高度医療を担当するような形にできれば、非常にユニークな病院になっていくと思います。
小出
「3年後のOneVETは、今あるそれぞれの強みをさらに伸ばしつつ、より広く地域に貢献し、柔軟に人と医療の選択肢をつなぐ存在になっていく」そんな未来像が見えてきましたね。
獣医師紹介
- 東先生の得意分野を教えてください。
-
「眼」の病気について、「診断が難しい、一般的な治療では治りにくい、特殊な手術が必要」といったケースをこれまで対応させていただいてきました。できる限り最新の情報・治療法をもとに飼い主さんのご希望に沿った治療ができるように心がけています。また、高度医療を請け負う病院で働いた経験があり、その時から外科・外科手術に関する分野に興味・関心を持って取り組んでいます。
- 獣医師になるきっかけは?
- 最初のきっかけは子どものころに犬を飼い始めたことです。当時「動物のお医者さん」という漫画を読み、「向井荒太の動物日記 〜愛犬ロシナンテの災難〜 」というドラマを見て、何となく獣医師の仕事に興味を持っていました。犬を動物病院に連れていき、もの言わぬ犬の病気をいとも簡単に見つけ・治療する獣医師の先生の姿に感銘を受けました。
- 休日の過ごし方は?
- 子どもが小さいので一緒に出かけ、遊んでいることが多いです。あとは、テレビを見るのが好きです。「クレヨンしんちゃん」は、昔から好きでほぼ欠かさず録画して見ています。子どもも好きなので、一緒に見て楽しんでいます。最近は、「吉田類の酒場放浪記」が楽しめるようになりました。
教えて東先生!
『犬・猫の白内障』
- 白内障ってなに?
- 白内障は犬・猫でよく見られる眼の病気の一つです。原因は様々で、遺伝の影響、加齢性の変化、糖尿病など他の病気の影響などが知られています。白内障では、眼の中の水晶体が濁ります。濁りが強くなってくると、視力に影響を及ぼす場合があります。
- 治療方法は?
- 治療としては、人と同様に外科手術が選択される場合があります。濁った水晶体を専用の機械で砕いて吸い出し、人工のレンズを挿入します。外科手術を選択する場合は、水晶体の濁りが強く視力に影響が出ている場合、白内障によってほかの眼の病気が出てきた場合などです。様々な理由で手術が難しい場合、ほかの病気がある場合は点眼薬・内服薬を使用する場合もあります。
- 最後に…
- 比較的軽度(初期)の白内障は、なかなか日常生活で気づくことができないことも多くあります。白内障がないかどうか、眼の病気が出てきていないかどうかを確認するためには、眼の検診をおすすめします。わんちゃん・ねこちゃんの眼で気になることがあったら是非ご相談ください。
- 小幡先生の得意分野を教えてください。
-
得意分野というのはまだないのですが、呼吸器の診療について頑張りたいと思っています。以前働いていた病院では、呼吸器についての検査が限られていてどう治療すべきかと思うことがあり、もっと呼吸器について阿美古先生のもと経験を積みながら治療の幅を広げられるようになれたらと思います。自分が小さいころに咳が止まらずつらい思いをしたことがあったので、同じようにつらい思いをちょっとでもしないようにしてあげたいと思っています。
- 獣医師になるきっかけは?
-
動物がもともと好きで、犬猫を飼っていて身近な存在で動物にかかわる仕事がしたいと思っていました。動物に深くかかわれる、資格もとれる、今は犬猫の獣医師をしていますが、他に牛などの大動物を診たり、研究者になったり、いろんなことが出来る、裾野が広い職業だなと思い、獣医師になりたいなと思いました。実家が動物病院で、父親(獣医師)の働く姿を小さいころから見ていたので影響があると思います。
- 休日の過ごし方は?
- 音楽が好きで、音楽を聴くのも、演奏するのも好きです。ライブ、演奏会に行くのが好きで、いろんなライブに行ったりしますが、サザンのライブに行ったり葉加瀬太郎のコンサートにも行ったりしました。自分で楽器を演奏するのも好きなので、フルート、バイオリンを弾いたりを時間が許せばしています。
教えて小幡先生!
『混合ワクチンと狂犬病ワクチン』
- どんな種類があるの?
- 動物病院で接種できるワクチンには「混合ワクチン」と「狂犬病ワクチン」の2種類があります。「混合ワクチン」は1回の注射で複数の病気を予防でき、犬・猫のどちらも接種可能です。犬では5種や10種、猫では3種や5種などがあります。「狂犬病ワクチン」は狂犬病を予防するもので、日本では犬に年1回の接種が法律で義務付けられています。
- 接種したほうがいいの?
- 「混合ワクチン」は感染力が高く重症化しやすい病気を予防できるため、基本的に接種がおすすめです。特に子犬や子猫は複数回接種するとより効果的です。どの種類を接種するかは、地域や生活環境によって異なるため、獣医師に相談してください。「狂犬病ワクチン」は法律で義務付けられております。狂犬病は致死率が高く、予防が大切です。
- 接種するときの注意点は?
- 接種後まれにアレルギー反応が出る場合があり、特にアナフィラキシーショックは命に関わることもあります。ぐったりする、嘔吐、顔の腫れ、下痢などの症状が見られたら、すぐに動物病院へ連絡をしてください。持病がある、高齢、過去に副反応があった場合は接種を見送ることもあります。心配なことがあれば、獣医師にご相談ください。
OneVET特集 #2 パピー
わんちゃんが人や他の犬との関わり方を学ぶ大切な時期であるパピー期について、
人と暮らす上での基本となるしつけをご紹介します。
1.社会化とは?
犬が人間社会に適応することを社会化と言います。
犬は生まれつき人間社会でどう振る舞えばよいかを理解をしているわけではありません。その為一緒に幸せに暮らしていくためにたくさんのことを教えてあげる必要があります。(人間の子どもと同じですね♪)「楽しい経験」をたくさん積んで、人見知りや怖がりにしないことが大切です。
2.社会化はなぜ必要なの?
将来的なストレスの軽減と問題行動の予防
子犬の時期に適切な社会化をさせてあげることで、将来的なストレスの軽減・問題行動の予防につながります。逆に言えば、この時期に経験が不足すると、人や犬を怖がるようになったり、刺激に対して過度に反応をするようになってしまいます。怖がりな子が逃げることができない状況に陥ると、当然の結果として吠える・咬むという攻撃行動に発展します。そうなる前に適切な社会化を行い、一緒に楽しく暮らしていけるようにしてあげましょう。

3.社会化期とは?
生後3~14週齢の時期が社会化期です。
この時期は何が違うの?というとたくさんのことを吸収しやすく、適応しやすい時期と言われています。私はよくクラスの中でスポンジのようにどんどんと吸収していくイメージですとお伝えしています。
POINT
この時期に特に注意をして欲しいのは「無理をしないこと」です。スポンジのように吸収していくのは良いことばかりではありません。トラウマも作りやすい時期となっています。皆さんも一度嫌になったことを好きになるのは中々難しいですよね…。
なのでまずはトラウマを作らない。そして「楽しく」将来関わるであろう人や犬、他の動物達、物や場所に慣らしてあげてください♪
やさか動物病院 シニアセミナー
開催日:毎週土曜日
時 間:14時~15時
回 数:全4回[1ヶ月コース]
内容
- ハンドリング
- 爪切り
- ブラッシング
- 歯みがきなどの日常ケア
- 病院、人、犬同士の社会化
当院では診察室でパピークラスを行っています。普段ワクチンや採血など嫌なことがたくさんあるのが動物病院です。子犬のうちから嫌な経験だけを積んでしまうと、病院に来ると震える、近づくのも嫌、最悪の場合は恐怖心から攻撃行動に出てしまうことも。そんな事態を避け、なるべく犬も飼い主さんもストレスがかからないようにしていきたい、そんな想いでパピークラスを院内で行っています。たくさん褒められて、ご褒美がもらえて、楽しく遊ぶ時間もあって、そんな経験が動物病院を大好きになってくれる大切なカギとなります。そしてこの時期に重要な家族以外の人との関わりや、子犬さん同士の関わり方、問題行動の予防、もちろん普段のお悩み解決の場として、飼い主さんと子犬が幸せに暮らしていくきっかけづくりの場になると思います!
4.パピーの困ったことランキング
1位 甘咬み
2位 いたずら
3位 トイレトレーニング・無駄吠え
堂々のNo1は「甘咬み」そして「いたずら」・「トイレトレーニング」・「無駄吠え」がよくクラス中に飼い主さんからご相談いただく内容です。すべてを詳しくお話したい!ですがOneVET通信1冊分は必要かもしれないので今回は一番多いかなと思う「甘咬み」について、簡単にですがお話をさせてもらいます。
甘咬みのお話をする際にみなさんにまずお伝えすることは「噛むという行動は本来子犬にとっては正常な行動」であるということです。さまざまなものを口に入れ学習していくのが成長の過程で必要なことです。その為子犬の噛みたい欲求をきちんと満たしながら人は咬んではダメだよ~ということを勉強してもらいましょう。
甘咬み対策 3つのポイント
カムアットレーニング
Our new face!
新人獣医師紹介
2025年、やさか動物病院とだて動物病院に新たに仲間に加わった4名の新人獣医師をご紹介します。
荒井 裕斗
HIROTO ARAI
- ペットは飼っていますか?
- 今は飼っていません。約10年前まで猫を飼ってました。
- 趣味はなんですか?
- サッカー、バスケを観ることです。
- 一言挨拶をお願いします。
- 皆さんが大切な家族と幸せな時間を過ごすための手伝いがしたいです。
大治 武留
TAKERU OJI
- ペットは飼っていますか?
- 今は飼っていませんが、昔リクガメを飼っていました。ゆっくりと動くところがかわいかったです。
- 趣味はなんですか?
- 散歩やドライブが好きです。
- 一言挨拶をお願いします。
- なんでも話しやすい診察ができるように頑張ります。
徳持 大輝
DAIKI TOKUMOCHI
- ペットは飼っていますか?
- 今は飼っていませんが、いずれは犬か猫と暮らしたいと考えています。動物と過ごす時間のあたたかさを、日々の診療の中で実感しています。
- 趣味はなんですか?
- ドライブが好きで、特に海沿いの道を走るのが気分転換になっています。知らない景色に出会える瞬間が楽しみです。
- 一言挨拶をお願いします。
- まだまだ学ぶことばかりですが、動物たちと飼い主さまの気持ちにしっかり寄り添える獣医師を目指して頑張ります。 どうぞよろしくお願いいたします。
東 和生
KAZUO AZUMA
- ペットは飼っていますか?
- 現在はいませんが、以前は犬が自宅にいました。熱帯魚などの魚も飼育していました。
- 趣味はなんですか?
- テレビっ子です。クレヨンしんちゃんは録画してチェックしています。深夜のテレビショッピングも昔からよく見ています。
- 一言挨拶をお願いします。
- 「眼の病気」の診断、治療を得意にしています。ご質問などあればお気軽にお問い合わせください。
経歴
2010年:大阪市内動物病院
2013年:鳥取大学農学部附属動物医療センター
2021年:岡山市内動物病院
EVENT REPORT
2月は「にゃん」の月!ということで、やさか動物病院では院長によるねこちゃんセミナーを行いました!
にゃんとそうだったのか!?
2月22日(猫の日)に行われた「にゃんとそうだったのか!?」のセミナーでは大石院長から猫の歴史・体・食事・暮らし方についての講演が行われました。参加者は12名、講演後の質問も多くいただき参加者の皆さんに猫のことをより知っていただき、さらに猫好きに拍車をかけることのできた講演になったのではないかと思います。
猫の飼育者が増えている中で、みなさんにより猫のことを知っていただき健やかに長く平穏な暮らしが出来るよう今後も続けていきたいと思います。
セミナーの一部をご紹介!
参加者アンケート
フォトコンテスト
2025年1月〜2月開催:エントリー50名 / 全176票
