だて動物病院

岡山県総社市中央2丁目23番34号 /アクセス
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病気の話
第5回目
犬のアレルギー性皮膚炎
こんな犬種に多いです
柴犬、フレンチブルドッグ、シーズー、ミニチュアダックス、トイプードル、etc
いわゆる人気犬種にとても多い病気です。
こんな病気です
  • 免疫の病気です。本来、体内に侵入した細菌やウイルスに対して攻撃・排除する免疫機能が、アレルギー物質に対して過剰に反応することで起こる病気です。
  • 皮膚に対してアレルギー反応が起こると、皮膚を守るバリア機能が壊れてしまいます。
  • 食事、ハウスダスト、草、花粉など様々な物質により引き起こされます。
  • その子その子で、原因となる物質(アレルギー物質)は異なります。
  • 皮膚炎を引き起こし、“ がまんできない強い痒み” がみられます。早い段階で治療を行わないと、皮膚病はすぐに悪化して、強い痛みがみられたり、元気や食欲がなくなってしまいます。
アレルギー性皮膚炎悪化の負のスパイラル
アレルギーの反応がいったん始まってしまうと、 皮膚炎・皮膚バリアの崩壊を皮切りに、 常在菌による皮膚感染症が起こります。強い痒みにより掻いたり舐めたりすることで感染症は強く、複雑なものになり皮膚状況は悪化していきます。下図で示すように、アレルギー反応が始まると、皮膚にとっ て悪い反応が次々に起こり、 負の悪循環に陥ってしまいます。
原因物質
食べ物では、タンパク質、炭水化物の順にアレルギー反応を起こしやすいと言われています。
豚肉やお米、パンなどが代表的な食物アレルギーの原因として挙げられます。
草では秋口に発生するぶた草、花粉は春に発生するスギ花粉が最も一般的な原因として挙げられます。
例:豚肉、お米、パン、ぶた草、スギ花粉など
アレルギーがよくみられる体の部位
皮膚の薄く、デリケートな部分(脇の下、足のつけ根)や、足裏・口元など外環境と接触する部位の皮膚でよくみられます。
治療
当院では、アレルギー治療に可能な限りステロイドを使用しないことを目標にしています。
ステロイドを用いないことで、副作用のない、動物にやさしい治療が可能です。しかし、ステロイドを使用しない治療には、時間と飼い主様の労力が必要になってきます。
治療法は下記に挙げるものを症状、飼育状況に合わせて行っていきます。
1. アレルギー物質への接触を断ち切る
Food の変更、飼育環境の整理、散歩コースの変更などを行います。
Food の変更
病院でお渡しするアレルギー食には様々な種類があります。その子その子に合うfoodを数種類試しながら決定していきます。おやつに関しては、一度完全にやめていただきます。どうしてもおやつが必要な子には、アレルギーに配慮したおやつを与えていただきます。
飼育環境の整理
  • ごはん、お水を入れる器のこまめな洗浄、交換
  • 寝床の敷もの( タオルケット、毛布など) のこまめな交換
  • 部屋の掃除
  • 空気清浄器の設置 などを行っていきます。
散歩コースの変更
特に草むらは避ける
2. サプリメントを使用した体質変化
ω3脂肪酸含有サプリメント:アレルギー反応をやわらげる力を持っています。
整腸剤:腸内環境を良好にすることでアレルギー体質からの脱却をはかります。
いずれも副作用の心配は一切ありません。
3. シャンプー療法
アレルギー用のシャンプーを使ってただ洗うのではなく、洗うべきポイント、洗う順番が重要です。
その子その子に合わせたシャンプー法をレクチャーさせていただきます。院内のみで可能ですが、マイクロバブルという特殊な皮膚洗浄法も皮膚アレルギーには効果的です。
※ マイクロバブルについては、こちらをご参照ください。
4. 抗生物質投与
皮膚感染症に対しての治療です。感染症の重症度に応じて、2~4週間の内服投与を行います。飲み薬が大変な子では、持続性の抗生物質を注射します。
5. ステロイド
過剰な免疫反応を抑えることで、劇的にアレルギー性皮膚炎を改善させます。お薬の投与中は、うそのように症状が消えますが、お薬をやめるとすぐに症状がぶりかえしてしまうことが多いです。そのため、長期的に薬を使用しなくてはならず、副作用が出やすくなります。使用法としては、あくまで一時的に痒みを抑えるのに使用します。
6. 免疫抑制剤
ステロイドで問題となる副作用が出ないお薬です。長期的な投薬が可能で、効果が現れると良好にアレルギーのコントロールが可能です。しかし、効果が出づらい子がいたり、高価な薬のため、他の治療でコントロールが難しい子に限り、 投薬を行うかどうか決定していきます。
当院では、まず1 ~ 4の治療にてアレルギーのコントロールを行っていきます。 それでも、治療が難しい場合に限り5、6の選択を考えていきます。
まとめ
最後に、アレルギー性皮膚炎は現在の医療では完治が難しい病気のひとつです。
治すというよりは、うまく病気をコントロールしていく必要のある病気です。いかに、動物に負担なく、動物の不快感をとりさってあげられるかがこの病気の重要なところです。