だて動物病院

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病気の話
第3回目
猫の尿石症 ~去勢した雄猫の飼い主様へ~
こんな病気です!
  • 尿中に結晶ができることで、膀胱炎や尿道炎を起こす病気です。
  • トイレに行く回数が増え、ちょこちょこおしっこが増えます。
  • 時に、命に関わる危険な病気です。
  • 猫の尿石症は、去勢した肥満傾向の男の子に多い病気です。
  • 若い猫でも発症します。
  • 特に、冬場など気温が下がり飲み水の量が少なくなると発症のリスクが高まる病気です。
  • 栄養バランスが崩れることで発症しやすい病気です。
どうして発症してしまうのか?
原因(危険因子)は様々ですが、以下に挙げるものが直接的あるいは複数重なることで発症のリスクが高まります。
1.去勢手術と術後の肥満傾向
去勢手術を行うことで男性器は小さくなってしまいます。その結果、尿の通り道(尿道)が狭くなります。その上、肥満傾向に陥ることで尿道は脂肪により圧迫を受けさらに狭くなります。
2.気温の低下
冬場の気温低下に伴い、飲水量は低下します。飲水量の低下により、尿は膀胱の中でどんどん濃くなってしまいます。尿が濃くなることで尿石の原因となる結晶の生成が増えてしまいます。
3.栄養バランスの偏り
食事中に含まれる、タンパク質やミネラルが過剰になったり、成分が偏ることで尿石生成の原因となったりします。また、食事を急に変更することも、栄養バランスが突然変わり危険です。
4.生活環境の変化、過度のストレス
引っ越しによる急な環境の変化(トイレの位置が変わる)や、近隣での工事などの騒音は猫にとって 過剰なストレスになってしまいます。ストレスを受けた猫は飲水量が落ちたり、トイレをがまんしたりしてしまい、結果、2 の気温の低下同様に、尿がどんどん濃くなってしまい尿石症のリスクが高まります。
※去勢した雄猫は、尿道が狭くなっているため、2、3、4 などの原因で尿石が出来てしまうと、尿道に炎症を起こしたり、尿道に石がつまりやすくなってしまうので、注意が必要です。
どんな症状がみられるか?
“ 頻繁にトイレにいくようになります”尿中に出来る結晶(結石)は、クリスタルのように角がとがっていて鋭利です。この結晶が膀胱のやわらかい粘膜や尿道粘膜を傷つけることで“ 膀胱炎・尿道炎をおこします” 膀胱炎・尿道炎を起こした猫は不快感を示し、頻繁にトイレに行くようになります。また、しきりに陰部を舐めるようになります。
ここで大問題になるのは、結晶によって尿道粘膜が傷つけられることです。傷つけられた尿道粘膜 は炎症を起こし腫れ上がり、最悪の場合尿道がふさがって尿が全く出せなくなってしまいます。
膀胱に出来た結石が尿道につまることでも、同様に尿は全く出なくなります。(尿道が狭くなり尿が出せなくなることを“ 尿路閉塞”といいます)尿路閉塞を起こすと猫はすぐに弱って、放置すると最悪2 ~ 3 日で命に関わる状態に陥ってしまいます。
頻繁にトイレに行く症状が出た場合は、少し様子を見る前にすぐに病院にご相談ください!
尿石症は尿が出なくなると一刻を争う病気です!
尿路閉塞が命に関わるわけ
尿毒症、急性腎不全をおこすためです。尿中には、体から出る老廃物、尿毒素が含まれています。そういった尿毒素が全く出せなくなることで強い尿毒症を引き起こします。また、尿が出せないことで、腎臓での尿の生成が行えなくなり、腎臓の機能がストップしてしまいます。
治療と予防
治療
膀胱炎のみの場合
処方食への変更 …… 炎症の強さに応じて飲み薬
尿道炎を併発している場合
処方食への変更 …… 抗炎症剤の内服
尿道炎・尿道結石に伴う尿路閉塞の場合
即刻尿道閉塞の解除を行います。…… 再度閉塞が起こらないよう、数日は膀胱までカテーテルを挿入し、入院にての管理が必要となります。
予防・対策 一番重要です!
  • 去勢後は、尿石症の予防食を与える。
  • 急なfoodの変更は避ける。
  • 冬場は水飲み場を増やす。水はこまめに新鮮なものに変える。→飲水量を増やすようこころがける。
  • 尿量確認のためトイレをこまめに確認する。
  • 定期的な尿検査を受ける。
尿石症は、予防・対策をしっかり行えれば、こわい病気ではありません。
飼い主様の正しい知識があれば、未然に病気を防ぐことが可能です。
今回のはなしで不明な点や、心配な点があれば、どうぞお気軽に病院にご相談ください。